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2014年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

身元保証したおいが会社の金を横領−損害賠償の範囲は限定的 神戸新聞 2014年9月17日掲載

執筆者:齊藤 静香弁護士

Q:おいが入社するとき、頼み込まれて身元保証人になりました。勤務してわずか2年で3千万円ものお金を横領して行方不明になったようです。全額賠償しなければならないのでしょうか。

A:結論として、必ずしも身元保証人が、雇い主が被った損害の全額を賠償しなければならないわけではありません。
身元保証とは、雇い主が、労働者の横領などにより損害を被る場合に備えて、第三者に損害の賠償を約束させておくもので、雇い主と第三者との間で結ばれる契約を身元保証契約といいます。身元保証は広く行われていますが、「身元保証に関する法律」(身元保証法)により、身元保証人が負担する損害賠償の範囲には、一定の限定が設けられています。
雇い主と身元保証人が、負担すべき損害賠償の範囲をめぐって裁判になった場合、裁判所は次のような事情を全て考慮した上で、判断を下す必要があるとされています。雇い主の監督に不十分な点はなかったか▽身元保証人はどのような理由で引き受けたのか▽軽率に引き受けたということはないか▽身元保証をした後に労働者の地位や職務、健康状態に変化が生じていなかったか―などです。
また、身元保証契約に「身元保証人はどんな事情があっても、雇い主が被った損害全額を賠償しなければならない」といった特約があったとしても、身元保証法によりその特約は無効となります。雇い主は、特約があることを理由に、身元保証人に全額の賠償を求めることはできません。
今回のケースでは、相談者はおいに頼み込まれて身元保証人になったということですが、きちんと説明を受けられないまま身元保証人になったといった事情があれば、相談者に有利に考慮されるでしょう。
他にも、例えば、雇い主が相談者のおいを信用しすぎて、しっかりと監督しなかったために横領が見逃されていたという事情があれば、相談者に有利に考慮される可能性があります。一度、近くの弁護士にご相談ください。

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