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2014年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

独身の弟の財産を相続 借金があるか心配−遺産から債務返す限定承認を 神戸新聞 2014年10月1日掲載

執筆者:太田 悠子弁護士

Q:独身の弟が亡くなり、私が相続人になりました。どんな生活をしていたか分かりませんが、分譲マンションを所有していたようです。私が相続して売却しようと思いますが、借金があったらと心配です。何かいい方法はありますか。

A:相続する場合は原則、被相続人の預金や不動産などの遺産だけでなく、借金などの債務も相続しなければなりません。債務の方が多ければ、相続放棄すればよいのですが、相談のように、被相続人の生前の生活状況を知らず、遺産と債務のどちらが多いか分からないことも少なくありません。遺産を見込んで相続したものの、ふたを開けてみれば、遺産より債務の方が多く、相続人自身が負担せざるをえなくなることも十分考えられます。
そこで、遺産の範囲内で被相続人の債務などを返すとの条件付きで、相続を承認できる「限定承認」という制度があります。簡単にいえば、遺産から債務などを支払って余りが出れば相続する制度です。
限定承認をするには、相続開始を知ったとき(通常は被相続人の死亡などにより自分が相続人になったことを知ったとき)から3カ月以内(熟慮期間)に、家庭裁判所に申し立てなければなりません。また、相続人が複数いるときは、相続人全員が共同して申し立てる必要があります。
限定承認を申し立てると、遺産の管理と清算は、相続人自身もしくは、家庭裁判所が複数の相続人から選任した相続財産管理人が行います。遺産は被相続人の債務などの返済に充てられ、余りが出れば相続人が取得できます。不動産は原則として競売にかけられますが、相続人は希望すれば、買い受けることもできます。
ただ、限定承認は、手続きが面倒であるため自分では難しく、弁護士などの依頼費用がかかるほか、税金などの問題点もあるため、慎重に検討する必要があります。3カ月の熟慮期間は家庭裁判所で延長の申し立てができます。まず申し立てし、延長期間中に遺産と債務を調査、それでも分からない場合は限定承認を検討されてはいかがでしょうか。

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