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2014年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

キャッシュカード盗難 預金引き出される−要件満たせば被害金額補償 神戸新聞 2014年11月5日掲載

執筆者:村尾 卓哉弁護士

Q:キャッシュカードや運転免許証の入った財布を盗まれました。暗証番号を生年月日にしていたため、現金自動預払機(ATM)から預金が引き出されました。何か補償を受けられませんか。

A:結論からいうと、銀行から補償を受けられる可能性があります。
偽造・盗難されたキャッシュカードによって、個人の預金口座から預金が引き出された場合、金融機関にその被害金額について、補償義務を課した法律がいわゆる預金者保護法です。
同法によると、盗難されたキャッシュカードによって、被害を受けた預貯金者が被害額の補償を求めるためには、次の要件を満たさなければなりません。キャッシュカードの盗難について速やかに金融機関に通知した▽金融機関の求めに応じ、キャッシュカードが盗まれた状況について十分な説明を行った▽金融機関に対して、警察署や検察庁にキャッシュカードの盗難届を出したことを申し出た―です。
以上の要件を満たした預貯金者からの補償請求に対して、金融機関は、原則として、被害金額(払戻手数料も含みます)を全額補償する必要があります。ただし、預貯金者に過失がある場合、金融機関がこれを立証すれば、補償金額が被害額の4分の3に減額されます。
預貯金者に過失がある場合とは、キャッシュカードや暗証番号の管理に落ち度があることを指し、具体的には個々の事例に即して判断されることになります。
今回のケースでは、暗証番号を生年月日にしたことや、生年月日が書かれた運転免許証とキャッシュカードを財布に入れていたという事実は、預貯金者の過失と評価される可能性があります。ただし、 金融機関によっては、以上の事情に加えて、預貯金者に対し、何度も暗証番号を生年月日から別の番号に変更するように直接、注意喚起していたのに、使用を続けた場合は、過失が認められるとの見解を示すところもあります。必ずしも今回のケースで預貯金者の過失と評価されるわけではなく、やはり事案ごとの判断となります。
不正払い戻しを防止するのはもちろんのこと、金融機関から補償を受けるためにも、暗証番号を類推されにくいものに設定してください。万が一キャッシュカードの盗難にあった場合は、速やかに金融機関に通知し、警察署や検察庁に盗難届を出すことが重要といえます。

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