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2014年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

空き家の隣家から伸びた樹木の枝を切りたい−所有者を調べ、承諾得てから 神戸新聞 2014年12月3日掲載

執筆者:吉田 圭孝弁護士

Q:お隣さんが亡くなり、空き家の状態が1年以上続いています。わが家側に樹木の枝が伸びるなど、迷惑しています。無断で枝を切ってもいいでしょうか。また、現在の所有者を調べる方法はありますか。

A:民法は、越境してきた竹木の枝と根の取り扱いについて233条に規定を置いています。根については「その根を切り取ることができる」と定めていますが、枝については「その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」と定めています。
このように根と枝について区別して規定していることから、枝を無断で切り取ることは原則として違法な行為と考えられます。
本件では、樹木の所有者を探す必要があります。樹木は土地から独立して所有権の対象となりますが、通常の住宅で樹木と土地の所有権者が異なることは極めてまれです。まずは所有者を調べるために、法務局で隣地の登記を確認しましょう。お隣さんは隣地を借りていただけで、所有者は異なることも十分あり得ます。
亡くなったお隣さんが隣地所有者であった場合、相続人に登記が移っていれば、現在の所有者と考えられますが、遺産分割・相続登記がされていない場合もあります。そのときは、市役所でお隣さんの住民票の除票を取り、本籍を確認して戸籍、除籍、原戸籍を取って相続人を確認しましょう。この相続人が現在の所有者となります(相続人が複数の場合は共有となります)。
現在の隣地所有者が判明したら、連絡を取り、枝の切除を求めます。所有者の承諾を得れば、自分で切除することも可能です。所有者が求めに応じず、承諾もしてくれない場合は、所有者を相手方として、調停や裁判などをする必要があり、最終的には樹木所有者の費用負担で、第三者(造園業者など)に切除させることになります。
一方、隣地の所有者が存在しない場合もあります。お隣さんが隣地所有者であるものの、相続人がいなかったり、相続人が全て相続放棄したりしている場合です。この場合は、本来相続財産管理人を選任する必要があるのですが、枝の切除を求める訴訟と同時に特別代理人の選任を求めた方が手続きとして簡単でしょう。

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