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2015年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

亡父の遺言書を開封してもいいか−まず家庭裁判所で検認を 神戸新聞 2015年1月7日掲載

執筆者:尾ア 悠吾弁護士

Q:亡くなった父の書斎から、父が書いたと思われる遺言書が見つかりました。開けていいのでしょうか。

A:遺言書を開封せずに家庭裁判所に提出する必要があります。民法1004条1項によると、遺言書の保管者が相続の開始(遺言をした人の死亡)を知ったとき、または、相続人が遺言書を発見したときは、遅滞なく、家裁に提出して、「検認」を請求する必要があります。ただし、公正証書による遺言の場合、検認は不要です(同条2項)。
遺言書の検認は、その形式その他の形状を調査・確認して、状態を確定し、現状を明確にする手続きです。目的は、遺言書が後日に偽造・変造されることを防止し、その保存を確実にすることにあります。検認調書が作成され、どのような用紙に、どのような筆記具で、何と書いてあり、何と署名されているか、印や日付はどうなっているかなどが記載されます。
このように、検認は、遺言書を確実に保存するための手続きであり、遺言の有効や無効を判断し確定するものではありません。したがって、検認を経た遺言の効力を後に争うことは可能です。
本件は、お父さまが自分で書いた遺言(自筆証書)であると思われることから、検認が必要です。提出先は、相続開始地、つまりお父さまの住所地を管轄する家裁です。
封印のある遺言書は、家裁において相続人またはその代理人の立ち会いがなければ、開封することができません(民法1004条3項)。家裁は、期日を定めて相続人全員を呼び出します。呼び出しを受けた相続人が家庭裁判所に来なかったときは、その立ち会いがなくても、遺言書を開封していいとされています。
遺言書を家庭裁判所に提出しなかったり、家庭裁判所外で開封したりすると、5万円以下の過料に処せられます(民法1005条)。また、遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿すると、相続人となれません(民法891条5号)ので、ご注意ください。

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