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2015年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

友人の会社役員への名前貸し−職務怠れば責任追及の可能性 神戸新聞 2015年1月21日掲載

執筆者:森田 雅美弁護士

Q:会社を経営する友人から、「名前を貸してもらうだけなので、会社の役員になってほしい」と頼まれました。法的なリスクはありますか。

A:役員として選任されてはいるものの、会社との間で職務を果たさなくてもいいことが前提となっている場合、名目的役員などと呼ばれ、その責任が問題となることがあります。
とりわけ株式会社の取締役については、旧商法下では3人以上が必要とされたことから、名目的取締役が置かれることがありました。現行会社法では原則として1人で足りますが、公開会社は3人以上が必要とされています。
役員には義務が課されており、取締役であれば、法令などを順守して会社の利益を最大化するために適切な経営判断を行ったり、代表取締役の業務遂行を監視したりするなど、さまざまな職務を遂行することが求められます(会社法355条など)。
役員が自らに課せられた義務を怠り、会社や第三者に損害を与えた場合には、損害賠償責任を負わなければなりません(会社法423条、429条)。この場合、名目的であっても義務の軽減を認めないというのが判例の立場であり、責任を肯定する裁判例も存在しています。
例えば、名目的取締役の責任が問題となった裁判例においても、役員報酬をもらっていないことや、業務には事実上関わっていなかったことなどの事情が認められても、名目的であることを理由に義務の軽減は認められていません。
このように、役員になることは、簡単に名前だけを貸すというわけにはいきません。役員に選任されれば、役員としての職務を果たすことが求められ、これを怠ればその責任を追及される可能性もあります。
その点を踏まえれば、役員になるかどうかについては慎重な判断が必要になりますので、判断に迷われた際には弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

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