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2015年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

夫が無償貸借した土地に住み続けられるか−諸事情を考慮、素人判断は危険 神戸新聞 2015年2月4日掲載

執筆者:岡田 晃朝弁護士

Q:夫が亡くなり、自宅の建物を相続しました。ただ、その敷地は夫がその兄から無償で借りていたようです。私はこれからも住み続けることができるでしょうか。

A:質問のように、無償で土地などを借りることを、法律上は使用貸借といい、民法593条に規定されております。親族間や友人間など、当事者の個人的な人間関係や信頼関係がある場合に締結されることが多い契約です。個人的な人間関係や信頼関係に基づいて締結される無償の契約ですので、賃貸借などに比べると弱い権利で、「借り主の死亡によって、その効力を失う」(民法599条)のが原則です。
しかし、民法599条は、別の取り決めをしていれば適用されません。例えば、借り主が死亡しても利用することを前提とした使用目的を定めておくなどすれば、借り主が死亡後も使用貸借は有効です。
これに関連して、建物所有を目的とする土地の使用貸借は、特段の事情のない限り、建物所有の用途に従って使用を終わった時に終了するとした判例があります。また、建物の使用が終わらない間に借り主が死亡しても、土地の使用貸借が終了するものではないといった趣旨の判例もあります。これらの裁判例からすれば、ある建物を建てる目的で土地を貸した以上、その建物を使うであろう期間といえる間は、借り主が死亡しても引き続き、土地を借りることができると考えられるでしょう。
以上のような考え方を前提に、質問を見た場合、「建物所有を目的とする土地の使用貸借の場合」として、使用貸借は消滅しないと考えることができそうです。ただし、「特段の事情」があれば、これが否定されることもあり得ます。
使用貸借は契約書などないことが一般的で、その権利内容や貸し付け目的、特段の事情の有無は、諸事情から総合的に検討されます。そのため単純な素人判断は危険です。お住まいを維持できるかどうかの重大な問題ですので、弁護士に相談されることを、お勧めします。

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