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2015年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

8年以上行方不明の夫 生命保険はどうなる−失踪宣告後、保険金の請求可能 神戸新聞 2015年8月5日掲載

執筆者:達川 新弁護士

Q:夫は8年以上前から行方不明で、生きているのかどうかも分かりません。戻って来ないと考え、諸手続きを進めようと思いますが、生命保険はどうなりますか。

A:相談のケースで考えられる法的な手続きとしては、失踪宣告があります。2種類あり、普通失踪とは不在者の生死が7年間明らかでないとき、危難失踪とは戦争など死亡の原因となる危難に遭遇した者が、その危難が去った後、生死が1年間明らかでない場合に認められます。
相談のケースでは、普通失踪の要件を満たすと考えられますので、管轄する家庭裁判所に失踪宣告を申し立てるとよいでしょう。申し立て後、多くのケースでは、家庭裁判所調査官により、申立人や親族に対して、調査が行われることになります。
失踪宣告によって、ご主人は死亡したとみなされますので、ご夫婦の婚姻関係は当然解消され、ご主人についての相続が開始することになります。相談の生命保険については、死亡保険金の請求が可能となります。
もっとも、普通失踪の場合、生死不明のまま7年間を経過した日が死亡した日となりますので、その日まで、保険料を支払い続けている必要があります。また、相談者のご主人の生存が確認された場合で、本人もしくは利害関係人からの請求があった場合には、家庭裁判所により、失踪宣告が取り消されることになります。
この場合、失踪宣告によって得た利益、すなわち受け取った生命保険金は、現に利益を受けている限度(現存利益)において、保険会社に返還する必要があります。この意味は、減少した利益分は返さなくてもよいということですが、手元に残っている生命保険金の限度で返せばよいというものではありません。
例えば、生命保険金の受け取りにかかわらず出費が必要な生活費に、生命保険金を使った場合、その出費を免れたという利益が残ることから、利益が減少したとは認められないでしょう。実際は、既に使った分も含めて返還しなければいけないケースが多いと考えられます。

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