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2015年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

筆記用具持てないが遺言を残したい−公証人が関わり書面作成も 神戸新聞 2015年9月16日掲載

執筆者:中村 衣里弁護士

Q:入院中の父が遺言を書きたいと言っていますが、体力が落ち筆記用具を持つことも困難な状況です。何か作成する方法はありますか。

A:最近は、「終活」の一つとして、遺言を書き残す人も多くなりました。この「遺言」。実は、決まった方式に従ったものでなければ、せっかく心を込めて書いても、効力が認められなくなるので注意が必要です。
例えば、「自筆証書遺言」といって、遺言者自らが、その全文、日付および氏名を自署し、押印の上、作成する方法があります。しかし、自署などをする必要がありますので、筆記用具を持つことが困難な状況では、この形式ではできません。例えば、パソコンなどで本文を作り、氏名だけを自署しても、有効な遺言とはならないのです。
それでは今回のご相談のように、すでに筆記用具を持つことが困難な状況では、遺言することができないのでしょうか。民法ではいくつか他の遺言の方法も用意していますが、その一つとして、「公正証書遺言」を紹介します。
この公正証書遺言は、証人2人以上の立ち会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人が筆記した上で、遺言者と証人に読み聞かせ、または閲覧させます。遺言者と証人が筆記の正確なことを承認した上で、各自が署名、押印します。最後に、公証人が方式に従って作成したことを付記し、署名、押印します。仮に遺言者が署名できなくても、公証人がその理由を付記して署名に代えることもできますので、今回のご相談のケースでもこの形で遺言することができます。
自筆証書遺言は自宅などで簡単にできる反面、訂正の方法などにも細かな決まりがある上、保管場所が分からなくなるなど紛失の危険などもあります。その点、公正証書遺言は、公証人が関わるため、形式的な要件を備えた有効なものが作られ、その原本は公証役場で保管されるため紛失などの危険もなく安心です。なお、公証人の入院先への出張により作成してもらえる場合もあります。

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