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2015年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

養育費求めたいが元夫が無職に−「稼働能力」の有無などで判断 神戸新聞 2015年10月21日掲載

執筆者:中嶋 知洋弁護士

Q:離婚した夫に養育費の支払いを求めたいと思います。金額など、どのように決めればいいでしょうか。理由は分かりませんが、夫は離婚直後、勤めていた会社を辞職し、無職のようです。

A:養育費とは、子どもを養育している親が、他方の親に対して、民法766条1項に基づいて「子の監護に要する費用」として請求するものです。
離婚後も、父母は未成熟子(親の扶養や扶助がなければ生活を保持できない子ども)に対して扶養義務を負います(民法877条1項)。子どもと離れて暮らしている親は、子どもを監護している親に対して養育費を支払う必要があります。
相談者のケースでは、義務者が退職して無収入になったと主張した場合に、直ちに退職後の収入(無収入)を算定の基礎にしてよいかが問題となります。無収入を算定の基礎とすれば養育費を支払わなくてよいということになりかねません。
無収入を算定の基礎とするかは、退職した経緯や退職後の状況に基づき、稼働能力(働けるかどうかの力)の有無や程度により判断されます。具体的な判断材料としては、過去の経験や就業状況、健康状態、学歴、資格の有無、年齢、退職の経緯などが挙げられます。これらの要素を考え、潜在的稼働能力があると認められる場合には、現実の収入ではなく、稼働能力に応じた収入を認定し、算定の基礎とすることになります。
義務者が就労可能な状態と認められた場合には、賃金センサス(厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」)などを用いて適切な収入認定が行われます。これまでの審判例や決定例をみると、やむを得ず退職に至った場合か、あるいは故意に退職したことが疑われる場合かについては相当程度重視されているようです。
事案によっては、退職の時期や理由などを詳細に主張することが重要になります。そうなると、相談者だけで、離婚した夫と話をするのは相当困難だと思いますので、家庭裁判所に養育費請求の調停を申し立て、調停委員とともに話し合いを進めていくのが良いのではないかと思います。

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