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2016年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

父親が生前に別荘地の管理費を長期間滞納−一定期間過ぎれば請求権消滅 神戸新聞 2016年1月20日掲載

執筆者:安東 直哉弁護士

Q:亡くなった父が、生前別荘地を買っていたようで、管理会社から管理費の請求書が届きました。随分昔から管理費を支払っていないようで、滞納金額も高額です。支払わねばならないのでしょうか。

A:お父さんの財産を相続する場合、資産だけでなく負債も受け継ぐことになります。
事実関係を確認して、お父さんがその管理会社と管理委託契約を締結したのに管理費を滞納していたことが分かった場合は、相続人がその管理費を支払うことになります。
しかし、今回のように滞納が長期になっているケースでは、管理費請求権が消滅時効にかかっている可能性があります。
消滅時効とは、権利が行使されないまま一定期間が過ぎると、その権利を消滅させることができる制度です。管理費請求権も一定期間が経過すると、消滅時効にかかり、管理会社は管理費を請求できなくなります。
通常の債権の場合、消滅時効に必要な期間は10年です。それより短い債権もあり、管理会社の管理費請求権は5年とされています。
したがって、直近5年分の管理費は支払わねばなりませんが、それより過去の分は支払う必要がありません。
消滅時効によって管理費請求権を消滅させるためには、管理会社に対して消滅時効を利用することを通知する必要があります。これを消滅時効の「援用」といい、内容証明郵便を使うのが一般的です。
注意点として、消滅時効には中断という制度があります。中断があると、途中まで進行していた時効期間が振り出しに戻ってしまうため、5年分の管理費の支払いでは済まないこともありえます。管理会社が過去にお父さんに裁判を起こしたり、お父さんが滞納管理費の存在を認める承認書を渡したりしていた場合などが中断に当たります。
なお、滞納管理費が高額で資産より負債の方が大きくなってしまう場合は、相続放棄をする方法もあります。これは相続開始を知ったときから3カ月以内に行えば相続財産一切を承継しないという制度ですので、管理費支払義務の相続を免れることができます。

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