くらしの法律相談

HOME > くらしの法律相談 > 2016年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談 >父の成年後見人だが財産管理が大変−複数の後見人で分担可能
消費者問題判例検索
弁護士と司法書士の違い
弁護士の職務と行政書士の職務の違い
ヒマリオンの部屋
こんなときはこちら
アクセス連絡先はこちら

2016年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

父の成年後見人だが財産管理が大変−複数の後見人で分担可能 神戸新聞 2016年5月4日掲載

執筆者:吉田 皓弁護士

Q:父の成年後見人になっています。同居しているので、身の回りの世話はできるのですが、財産管理は大変で十分にできません。その部分だけ誰かにお願いできればと思っています。何か方法はあるでしょうか。

A:現在の成年後見制度は、複数の成年後見人を選任する複数制が認められています。
これは、当初1人の成年後見人が選任されていたところ、後になって必要になった場合も同様です。法律においては家庭裁判所が必要があると認めるときは、本人や親族、その他の利害関係人、成年後見人の請求により、あるいは家庭裁判所の職権でさらに成年後見人を選任することができるとされています(民法843条3項)。
これは、認知症の高齢者、知的障害者、精神障害者等の多様なニーズに対応するため、後見の態勢についての選択肢を広げるという観点から、1999年に改正されたものです。
複数制の利用が想定されているのは、例えば、財産管理と身上監護を各分野の専門家(法律実務家と福祉の専門家)が分担したり、親族と特定分野の専門家が共同したりなど、チームを組んで後見事務を進めることが効果的な場合です。また、入所施設で日常の財産管理を担当する成年後見人と、遠方の住所地の財産管理を担当する成年後見人を選任する必要があるケースも想定されています。
今回の事例では、親族後見人のみでは身上監護に加え、財産管理まで行うことが困難な状況であるため、財産管理について特定の専門家(弁護士など法律実務家)を入れ、分担する必要がある場合と考えられます。
従って、成年後見人から家庭裁判所に対して、必要とする事情を説明し、追加で成年後見人を選任してもらうよう請求できます。
なお、後見人が複数選任された場合、後見人はそれぞれ単独でその権限を行使することができます(民法859条1項)。一方で、後見事務の遂行に支障を来すことがないよう、家庭裁判所の職権で、数人の成年後見人が共同してまたは事務を分掌してその権限を行使すべきことを定めることができるとされています(民法859条の2)。

掲載年一覧

ページのトップへ
兵庫県弁護士会