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2016年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

両親亡くなり空き家の実家の管理責任は−遺産分割で所有者を明確に 神戸新聞 2016年6月15日掲載

執筆者:平田 尚久弁護士

Q:母に続き、先日、父が亡くなり、父名義の実家が空き家となりました。私は3人兄弟の次男で、長年実家から離れた町に住んでいます。実家近くに兄が住んでいますが、私にも空き家を管理する責任がありますか。

A:遺言による承継もないまま不動産の所有者が亡くなった場合、相続人が共有する状態となります。相談事例では、兄弟それぞれが持ち分3分の1で建物についての権利を取得します。
しかし、権利を取得することは、所有権者になることでもあり、同時に管理の義務を負うことでもあります。事例でも、相談者は、電気代や水道代、火災保険料、屋根の修理費など、空き家に関して必要な費用の3分の1を負担しなければなりません(民法253条1項)。
また、適切な管理がなされず、家が傾いたり庭にごみが大量に不法投棄されたりした場合には、市町村から指導や勧告を受けることがありますし、万が一、管理不足を原因として屋根の瓦が飛んで他人にけがをさせたなど、他人の生命身体、財産に損害が発生した場合には、損害賠償責任を問われることにもなります(民法717条1項)。
このような事態を避けるためには、まず、兄弟間で協議をし、過半数の同意を得たうえで管理者や費用負担の方法を決めておく方法が考えられます。
もっとも、所有者及び管理者を明確にするためにも、兄弟間で遺産分割を行い、誰がこの不動産を取得するかを明確にしておくことが望ましいです。そして、誰も取得を望まなければ、早めに不動産業者に売却の相談をしておくべきでしょう。
すぐに買い手が付きそうにないという場合には、例えば相談者が不動産を単独で取得し、将来売却できたときには、その売却代金から売却費用や負担を余儀なくされた管理費用などを差し引いた残額を、兄弟3名で分けるという遺産分割方法も考えられます。
兵庫県弁護士会では6月29日午後1時半〜4時、兵庫県弁護士会館(神戸市中央区橘通1)で、「空き家対策シンポジウム『空き家問題の今とこれから』」を開催し、空き家に関する法律問題を検討します。予約不要・参加無料ですので、ぜひご来場ください。

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