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2016年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

新築建売住宅に入居後 家の傾きが判明−売買契約解除できることも 神戸新聞 2016年7月20日掲載

執筆者:村木 亨輔弁護士

Q:建て売りの新築住宅を不動産業者から購入しましたが、入居後、家が傾き床が斜めになっていると分かりました。不動産業者から修理すると言われましたが、住宅の売買契約の解除はできるでしょうか?

A:買い主は、購入した住宅に「隠れた瑕疵」があるために「契約の目的を達成することができない場合」、売り主の瑕疵担保責任を理由に契約を解除することができます(民法570条、566条1項)。
「隠れた瑕疵」とは、目的物がその種類のものとして通常有すべき品質・性能を欠いていることを、買い主が知らなかった,または知りえなかった場合をいい、「契約の目的を達成できない」場合とは、欠陥の程度が大きく、修繕に多大な費用を要するような場合をいいます。
相談の事案では、新築住宅において、家が傾き、床が斜めになっていること自体、建物としての役割を果たせていませんので、買い主が事前に知らなければ、家の傾きは「隠れた瑕疵」といえます。家の傾きの原因が建物の基礎部分にあり、耐震構造上、著しい支障が生ずる場合や修繕に多額の費用を要する場合であれば、買い主は売買契約を解除できると考えます。
もっとも、瑕疵担保責任に基づく解除は、買い主が瑕疵があることを知ってから1年以内に権利を行使する必要があります(民法570条、566条3項)。瑕疵担保に基づく規定は任意規定ですので、実際の取引では、瑕疵担保責任の行使期間を短く規定することや、契約書に行使自体認めない特約を盛り込むことが少なくありません。
この点、売り主が宅地建物取引業者の場合、一部を除き、民法の規定よりも不利な特約を結ぶことができず、これに反する特約は無効とされます(宅地建物取引業法40条1項、2項)。また、2000年4月1日以降に締結した新築住宅の売買で、瑕疵が「構造耐力上主要な部分」などにある場合、買い主は、引き渡しを受けてから10年間、瑕疵担保責任を行使できます(住宅の品質確保の促進等に関する法律第95条)。ただし、中古住宅や新築後1年以上売れ残った建売住宅は「新築住宅」に当たらず、同法が適用されませんので注意が必要です。

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