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2002年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「交通事故の時効-賠償請求は発生から3年」神戸新聞 2002年11月5日掲載

執筆者:三木 信善弁護士

今から2年6カ月前に交通事故を起こしましたが、まだ加害者と示談をしていません。交通事故にも時効はあるんでしょうか。

弁護士:交通事故の加害者に対する賠償請求は、不法行為に基づく損害賠償請求権に該当し、これは、損害および加害者を知ったときから3年、知らない場合は事故のときから20年で時効消滅します(民法724条)。

相談者:3年の時効は、交通事故発生の日から進行するのですか。

弁護士:損害の項目ごとに時効の起算点が異なります。物損事故の場合の賠償請求については事故時から、人身事故の場合の治療費、休業損害についてはそれが発生したときから、後遺症に関する賠償は症状固定時から、それぞれ時効が起算されることになります。

相談者:私の場合、交通事故発生からすでに2年6カ月が経過しており、3年の時効完成までにあと6カ月しかありません。加害者に対する賠償請求権の時効消滅を防ぐために何か方法はないものですか。

弁護士:時効中断のための方策を採っておくべきでしょう(民法147条)。時効の中断とは、進行中の時効をその完成前にいわばリセットするものです。具体的には、加害者にあなたに対する賠償債務を認める旨の念書を書いてもらうとか、賠償の一部を仮払いしてもらうことなどが考えられます。
加害者を被告として訴訟を提起しても時効は中断します。なお、簡易裁判所に対する調停申立によっても中断されますが、調停が不成立になった場合は、不成立後1カ月以内に訴訟を提起しなければならない、とされています(最高裁判決平成5年3月26日参照)。

相談者:加害者の自賠責保険会社に対して請求することはできますか。

弁護士:交通事故により被害者が傷害ないし死亡の損害を被った場合、被害者は加害者の自賠責保険会社に対して直接賠償請求することができます(自動車損害賠償保障法16条1項)。しかし、この請求権は原則として事故時から2年、後遺症による損害については症状固定時から2年で時効になります(同法19条)。よって、あなたの事故の場合、症状固定後2年経過していない後遺症がない限り、自賠責保険会社に対する請求はできないことになります。