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2004年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「公設事務所-開設・運営を弁護士会が支援」神戸新聞 2004年9月7日掲載

執筆者:東 泰弘弁護士

Q:法律事務所の中に「公設事務所」と呼ばれる法律事務所があると聞きました。普通の法律事務所とは、どう違うのでしょうか。

A:公設事務所とは、その開設・運営について、弁護士会から支援を受けている法律事務所のことです。
開設される地域・目的に応じて、(1)地域に弁護士がいない、または非常に少ない状態を解消するために開設される「過疎地型公設事務所」(2)都市部に開設され、公益的事件の受任や、弁護士過疎地域に派遣する弁護士の育成などを目的とする「都市型公設事務所」があります。
ここでは(1)の過疎地型公設事務所を念頭に置いてお話しします。

公設事務所と普通の法律事務所との違いは、公設事務所が財政面などで弁護士会からの支援を受けているという点です。しかし、個々の事件の処理は、公設事務所の弁護士個人の判断と責任において行われ、弁護士会は一切無関係です。その意味では、公設事務所も普通の法律事務所と何ら変わらないと言えます。

それでは、弁護士会は、どうして公設事務所を支援するのでしょうか。その理由は、弁護士がいない地域をなくし、この国に暮らす誰もが、必要とするときに弁護士による法的サービスの提供を求められる社会を実現するためです。それが私たち弁護士の悲願であり、また弁護士会として取り組むべき課題だからです。
もちろん、一つの公設事務所だけで、その地域のすべての法的ニーズに応じきることは、到底できません。その意味で、公設事務所の設置は、弁護士過疎解消のための第一歩に過ぎません。しかし、それまで弁護士がいなかった地域に一つの公設事務所ができることによって、市民の方々の弁護士へのアクセスは格段に容易になるはずです。

法律事務所はとかく敷居が高いと思われがちですが、体の具合が悪ければ病院に行くように、生活の中で困ったことがあったら気軽に公設事務所を利用していただきたいと思います。