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2019年

ネットオークションの「ノークレーム-」特約-事業者の関与なければ有効-

 神戸新聞2019年7月17日掲載
執筆者:大永 祐希弁護士

 インターネット上のオークションで、商品説明欄に「ノークレーム・ノーリターンでお願いします」と記載されているのをよく見かけます。商品に欠陥などがあっても、返品などはできないのでしょうか。

 スマートフォンアプリなどを使ったインターネットオークションやフリーマーケットサイトの利用が盛んになっています。出品されている商品の説明欄に「ノークレーム・ノーリターンでお願いします」などと記載されている場合があります。

 このような記載のある商品を購入した場合、購入者は出品者に対して、一切クレームやリターン(返品や解除)を求めることができないのでしょうか。出品された商品に隠れた欠陥があった場合、購入者は出品者に対して、契約解除や損害賠償を請求することができます。これを「瑕疵担保責任」といいます。

 「ノークレーム・ノーリターン」の記載は、この瑕疵担保責任を免除する趣旨の特約といえます。このような特約は有効なのでしょうか。出品者・購入者がともに事業者ではない場合、「ノークレーム・ノーリターン」特約は原則として有効です。

 もっとも、出品者が商品に欠陥があることを知りながら、購入者にそれを告げずに取引した場合、出品者は「ノークレーム・ノーリターン」特約によっても瑕疵担保責任を免れることはできません。この場合、購入者は出品者に対し、契約の解除や損害賠償を請求できます。

 ただし、商品の欠陥について商品説明欄に具体的に記載されている場合や、記載がなくても、中古品として経年劣化の範囲にとどまる場合などについては、隠れた欠陥にはあたらないため、購入者は出品者に対して瑕疵担保責任を追及することはできません。それゆえ、購入にあたっては、商品説明欄をしっかりと確認することが重要です。

 また、自らが出品者となる場合は、商品の傷や汚れなどについて、明確に説明することを心掛けましょう。なお、出品者が事業者で、購入者が消費者の場合、「ノークレーム・ノーリターン」特約は、消費者契約法第8条第1項5号及び第8条の2により無効となりますので、購入者は出品者に対して瑕疵担保責任を追及することができます。

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