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2025年

マンション管理費を組合員が長期滞納-競売など強制的な回収手段も

 神戸新聞2025年8月6日掲載
執筆者:兵庫県弁護士会広報委員会

自主管理マンションの管理組合の理事長です。管理費・修繕積立金を数年間滞納している組合員がいます。書面や訪問による督促を続けていますが、応答がありません。どう対応すればいいのでしょうか。

 管理費などの回収のために必要な措置を講じることは管理組合の重要な職務です。管理費などの請求は、各支払期日から5年で消滅時効(請求権が消滅すること)にかかります。本件では、何度も督促されているのに応答がないとのことなので、法的措置による回収を検討すべき段階と考えられます。

 法的措置としては、裁判(民事訴訟)による回収が基本です。裁判により、滞納する管理費などを支払うように請求し、勝訴判決や和解がなされれば、滞納者の財産へ強制執行ができます。裁判手続きによって滞納者の財産を強制的に差し押さえて回収する方法で、具体的には、滞納者の所有マンションの競売や、給与や預金の差し押さえなどを行います。

 このほか、滞納管理費などについて、特別に回収する方法があります。区分所有法7条の先取(さきどり)特権に基づく「担保不動産競売手続き」です。滞納者の所有マンションなどを担保として、競売にかける方法で、裁判を起こして勝訴判決などを得る必要がなく、いきなり競売申し立てが可能です。さらに、競売により落札した新しい所有者から管理費などを回収できます。

 ただし、滞納者が所有マンションに住宅ローンを組んでいて抵当権などの存在があり、マンションの買い受け可能価格よりも残ローンの方が多い場合(オーバーローン)、競売手続きは取り消され、管理費などの回収はできません。

 また、これらの方法で全額回収ができない見込みの時、「競売請求訴訟」(同法59条)という方法があります。要件や手続きが厳しく、最後の手段となりますが、滞納者を管理組合から追い出し(区分所有権の剥奪)、新しい所有者から滞納管理費を回収する競売手続きです。この競売請求訴訟で勝訴判決を得た場合、オーバーローンでも競売の手続きが進むため、落札されれば新所有者から滞納管理費の回収が可能な場合があります。

 具体的な事情により対応が異なるため、早めに弁護士へ相談されることをお勧めします。

 

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