くらしの法律相談

ヒマリオンの部屋ヒマリオンの部屋

2026年

所有する空家を放置 このままだとどうなる?-行政から指導、勧告、罰則も





 神戸新聞2026年8月19日掲載
執筆者:本間 一平 弁護士

数年前に親が他界し、実家の土地と建物を相続しました。しかし、空家のまま放置しています。最近は庭の雑草が伸びて、家の外壁も傷んできました。このままでよいでしょうか。

 放置された空家は損傷しやすく、台風で瓦が飛んだり、地震により倒壊したりする危険性が高まります。ネズミや害虫などの大量発生、ごみの散乱、外壁の破損・汚れの放置など、衛生上や景観上の問題も発生します。不法侵入者の出入りにより周辺地域の治安が悪化する可能性もあります。瓦や外壁の落下で、通行人や近隣の家屋に損害を与えてしまうと、損害賠償責任を問われることになります。

 空家の放置にはこれらのデメリットがある上、空家を放置する人が多く、社会問題化しているため、特別な措置が取られています。

 元々建物の所有者などは建物を適法な状態に維持する義務を負います(建築基準法8条1項)が、加えて、空家については、「周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努める義務」が課されています(空家等対策の推進に関する特別措置法)。
 
 この法律では、市町村による空家所有者などに対する措置も規定されています。市町村は、放置すれば倒壊の恐れなどがある空家を「特定空家」と認定し、所有者などに対し、空家の管理について助言指導・勧告・命令を行うことができます。勧告されると敷地の固定資産税に関する軽減措置が外され、最大で今の6倍の固定資産税を支払う必要があります。命令に応じなかった場合、市町村が建物を解体するなどしてその費用を所有者などに請求することもできます。所有者などは、正当な理由なく命令に違反した場合には50万円以下の過料も科されます。
 
 また今後、「特定空家」になるおそれのある空家も、市町村に「管理不全空家」と認定されて指導・勧告を受けると、勧告を受けた「管理不全空家」は固定資産税の軽減措置が外されます。
 
 あなたの所有する空家は、すでに「管理不全空家」に該当している可能性があります。早めに、市町村の担当課に相談するなどして、適切な管理方法を確認して実行しましょう。兵庫県弁護士会が設置している「空き家対策支援センター」へご相談されることもお勧めします。 

兵庫県弁護士会 空き家対策支援センター



あわせて読みたい記事(くらしの法律相談)