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1998年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「校内事故の損害賠償責任-教師の安全管理で判断」神戸新聞 1998年6月19日掲載

執筆者:西山 要弁護士

学校内で起こった事故の責任はだれにあるのでしょうか。今回は、小学校二年の男児が授業中、移植ごてで遊んでいたところ、はずみで女児の目に当たって失明したという事件で、女児の父親からの相談です。

相談者:小学校の設置者である市と担任教師から損害賠償は取れるのでしょうか。

弁護士:事故が授業中に起きたものですと、市が賠償責任を負う場合があります。

相談者:どんな場合ですか。

弁護士:担任教師が監督(安全管理義務)を怠っていた場合には、市が賠償責任を負います。だから、市を相手に示談交渉を起こし、成立しなければ市を被告にして訴訟を起こすことができます。

相談者:担任教師は?

弁護士:国家賠償法により責任は負いません。

相談者:このような事件で責任を問われるのは、傷を負わせた子の両親と学校設置者の市というわけですね。

弁護士:その通りです。

相談者:では、教師が監督を怠っていたかどうかについて具体的に教えてください。

弁護士:あなたの場合と似た事件があります。大阪市内の小学校屋上で行われた投業中、被告が投げた下敷きが原告の右目に当たり、眼球を切り失明した、というケース。
傷害の結果が失明で、教室外の事故という点は似ていますが、あなたの事件は傷害を与えた道具がいつも児童が持っていない移植ごてで、扱い方によっては他人や所有者自身をも傷つける「凶器」ですから、担任教師の監督の内容、程度に差が出ます。
大阪の事件の判決は、担当教師が安全管理義移を怠ったとはいえないとして、原告が敗訴しましたが。

相談者:私の場合は、大阪のケースよりも担任教師の監督責任は、はるかに重大なものと思われますが、勝訴できるでしょうか。

弁護士:勝つ見込みはあると思いますが、難しい事件ですね。