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1999年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「酒気帯び運転の交通事故 - 科せられる厳しい処分」神戸新聞 1999年1月22日掲載

執筆者:関 通孝弁護士

新年会などでお酒を飲んで、そのまま自家用車で帰宅-。あってはならないことですか、飲酒運転で事故を起こすと、どのような処分を受けるのでしょうか。

相談者:このたび私の知人が酒気帯び運転をして交通事故を起こし、相手に大けがをさせてしまいました。事故を起こした場合、相手方のけがに対する治療費などの支払い義務が生じる民事上の責任のみならず、刑事上や行政上の責任も問われると聞きましたが。

弁護士:運転者は過失によって自動車事故を引き起こし、人を死亡または負傷させると「業務上過失致死罪」または「業務上過失致傷罪」に問われ、五年以下の懲役もしくは禁固または五十万円以下の罰金に処せられます。これが刑法上の罰則。

相談者:酒気帯び運転をしていて事故を起こした場合、さらに刑事上の責任が問われるのですか。

弁護士:酒気帯び運転は道路交通法に違反することになります。道路交通法では、交通事故を起こした運転者が負傷した被害者を救護しなかったり、すぐに最寄りの警察署などに事故の報告をしなかった場合も、被害者救護措置義務違反、報告義務違反として処罰されます。

相談者:行政上の責任とは。

弁護士:交通事故を起こした運転者は、運転者として危険、不適当な者であるとみなされてもやむを得ません。そこでこうした運転者に運転を許さないことにするなどして、「道路交通の安全を守る」目的で運転者に対して科せられるのが行政上の責任です。

相談者:具体的には。

弁護士:交通事故を起こさなくても、駐車違反をしたなど道路交通法規に違反した場合、いわゆる反則キップを切られますね。免許資格については点数制度が設けられており、違反や事故が重なると運転不適格者として免許の停止や取り消しの処分を受けることになります。

相談者:点数制度はどうなっているのですか。

弁護士:交通違反の種類によって決められており、例えば洒酔い運転は十五点、酒気帯び運転は六点というように定められています。基本的に十五点となると免許取り消し処分となってしまいます。このように酒気帯び運転での事故は厳しい処分が科せられます。お洒を飲んでの運転は厳禁ですね。