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2004年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「土地管轄-裁判所の移送は可能」神戸新聞 2004年2月3日掲載

執筆者:村山 稔弁護士

Q:豊岡市在住の会社員です。買った覚えのない高額商品について、東京の会社から商品代金支払いを求める訴訟を東京地裁に起こされてしまい、困っています。豊岡で裁判はできないのでしょうか。また、放っておいても大丈夫でしょうか。

A:放っておいては絶対に駄目です。
というのは、裁判に欠席すると、自動的に相手の主張を認めたことになって、敗訴ということになってしまうからです。仮に敗訴となると、その判決であなたの財産に対して強制執行されることになりかねません。

ですから、たとえあなたに買った覚えがなくても、ひとたび裁判で訴えられたからには、裁判で争う必要があります。振りかかった火の粉は、面倒でも、振り払う必要があるのです。

とはいえ、裁判が東京地裁で起こされているのに対して、あなたは豊岡市在住ですから、現実問題として、東京地裁まで出頭して、あなたの主張をするというのは困難でしょう。

そもそも裁判をどこで提起できるか(これを「土地管轄」といいます)というのは、条文の複雑な規定があり、原則は訴える相手方(被告)の住所地です。

すなわち、今回ではあなたが訴えられて被告となっているので、土地管轄は、あなたの住所地である豊岡の裁判所になるのです。

ではなぜ今回、東京の裁判所に訴えが提起されているのかというと、土地管轄は被告の住所地だけではなく、その他、紛争類型ごとにいろいろな条文の定めがあります。そして、今回は売買代金をめぐる紛争で、売買代金の支払地が東京の会社なので、その関係上、東京もまた土地管轄となるのです。

ですから、土地管轄は、豊岡と東京ということになります。

こういった場合に、東京地裁で提起されている事件を豊岡の裁判所に移送してもらうということも可能です。詳しくは、裁判所の書記官に教えてもらうといいでしょう。