アーカイブス

このページは旧サイトに掲載されていた記事のアーカイブです。

くらしの法律相談

HOME > くらしの法律相談(1997年-2007年) > 2006年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談 > 「離婚後の子どもとの面会-親として当然の権利」神戸新聞 2006年11月21日掲載

2006年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

≪2006年掲載一覧へ戻る

「離婚後の子どもとの面会-親として当然の権利」神戸新聞 2006年11月21日掲載

執筆者:浅葉 律子弁護士

Q:妻と協議離婚することになりました。長女(5歳)の親権者は妻にしようと思っていますが、私としては、妻と別れても、長女と会って、その成長を見守っていきたいと思っています。私が親権者でない場合は、子供に会うことができないのでしょうか。

A:あなたが親権者ではない場合でも、離婚後、お子さんと会うことができます。これを「面接交渉権」といいます。

面接交渉権は、親としての当然の権利であり、また、両親の愛情を受ける子どもの権利でもあります。したがって、親権者である親は、正当な理由なく、親権者でない親と子どもの面接(面会)を一方的に拒否することはできません。

協議離婚の際に、面会の場所、月に何回、何時から何時まで会うのか、宿泊は可能か、子どもの引き渡し方法など、条件を詳細に決めておきましょう。将来の紛争を避けるために、具体的内容を書面にしておくことをお勧めします。

協議離婚することや、どちらが親権者になるかについては合意ができていても、面接交渉の具体的な内容について合意ができない場合があります。そのときは、家庭裁判所に調停の申し立てをし、面接交渉の具体的な内容について話し合いをします。

調停でも決まらない場合は、家庭裁判所が、子どもの意思、生活環境などを考慮して、面接交渉の具体的内容について、決めることになります。

面接交渉権は子どもの権利でもありますので、子どもの意思に反するときや、面接交渉により子どもに動揺を与えたり、精神的な負担をかけたりする場合には、面接交渉が制限されることがあります。また、支払い能力があるのに子どもの養育費を支払わないような場合も、子どもに対する愛情に疑問があるとして、面接交渉が制限される可能性があります。