意見表明

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姫路市立城陽小学校の特別支援学級での児童に対する暴言等の事案を受け 徹底的な調査と再発防止を求める会長声明

2021年(令和3年)10月21日
兵庫県弁護士会
会 長  津 久 井 進

第1 声明の趣旨

姫路市及び姫路市教育委員会に対し、

  1. 外部有識者を参画させた第三者による検証組織を設置し、事案の発生原因及び背景要因を徹底的に調査するよう求める。
  2. 上記1の調査の結果を踏まえ、効果的な再発防止策を講じるよう求める。なお、これを検討する上では、当事者団体の意見が十二分に取り入れられるべきである。

第2 声明の理由

  1.  令和3年9月21日、兵庫県教育委員会は、姫路市立城陽小学校(以下「当該校」という)の特別支援学級の担任である男性教諭(以下「当該教諭」という)を同日付で懲戒免職処分にした。兵庫県教育委員会及び姫路市教育委員会の調査によれば、当該教諭による暴言や暴力は平成30年4月から児童6人に対して繰り返されており、計34件に上るとのことである。当該教諭は、いやがる児童の顔を無理やり水に漬けるなどの体罰や、「生きる価値なし。死ぬしかない。お前はどうしようもない。早く転校しろ。早く出て行ってくれ」などの暴言を述べていたとされる。
     また、報道によると、当該校の校長や教頭は、複数回にわたり、他の教職員から相談を受けていたものの、当該教諭に対する口頭注意にとどまり、校内調査や姫路市教育委員会への報告を怠っていたとのことである。
  2.  本来、学校は、子どもたちが安心して学べる場でなければならない。また、特別支援教育は、障がいのある子どもが主体性をもって社会参加できる力を育成するために実施される。そこでは、対象となる子ども一人ひとりの教育的ニーズを把握し、その持てる力を伸ばし、学習や生活で抱える困難さを軽減し改善するための適切な指導や支援が行われる。
     しかし、教育委員会の調査結果や報道のとおりであれば、当該教諭の言動は、明らかに、児童の生命、身体及び人格を脅かし危害を加える行為である。加えて、特別支援教育の理念からは著しく乖離しており、障がい者差別に当たる言動でもある。当該教諭の言動は、重大な人権侵害行為であったと言える。
     さらに、上述のとおり、当該校の管理職は、当該教諭の言動について複数回にわたり相談を受けながら、当該教諭を口頭注意するにとどまっていた。当該校としては、姫路市教育委員会に速やかに報告し、対応方針や方法につき助言や指導をあおぎ、当該教諭を担当から外す、職員配置を見直すなどの対応をとるべきであったと考えられる。当該校の管理職は、対応を放置していたにも等しく、児童への人権侵害を拡大させる結果を招いた疑いがある。また、姫路市教育委員会においても、本事案をなぜ早期に把握できなかったのかなどの課題があると思われる。
  3.  したがって、当会は、姫路市及び姫路市教育委員会に対し、本事案が発生した原因や背景要因について、組織的要因を含め徹底的に調査検証することを求める。これを実施するにおいては、外部の学識経験者や弁護士等を参画させた第三者による検証組織において調査検証をするべきである。
     また、当会は、姫路市及び姫路市教育委員会に対し、二度と本事案のような事案を発生させないよう、効果的な再発防止策を講じるよう求める。これを検討する上では、当事者団体の意見が十二分に反映されなければならず、そのための会議体の設置などを積極的に検討するべきである。
  4.  なお、令和3年10月7日、NPO法人姫路地区手をつなぐ育成会、兵庫県自閉症協会姫路ブロック及び兵庫県LD親の会「たつの子」はりまブロックの3団体が、姫路市及び姫路市教育委員会に対し、本事案の徹底的な検証と第三者委員会の設置を求めた。当会は、このような当事者団体による動きに強く賛同する。

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以上

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