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2026年

別居中の配偶者が親子交流に応じない-家裁に調停申し立て、協議を





 神戸新聞2026年10月21日掲載
執筆者:藤本 史也 弁護士

別居中の配偶者とともに暮らす子に会いたいのですが、配偶者が親子交流の協議に応じてくれません。このまま協議ができない場合、子に会うためにはどうすればいいですか。

 父母間で協議ができない場合は、調停などの法的手続きを行うことができます。
 
 まず、「親子交流」とは、婚姻中の父母が別居している場合または離婚した場合に非監護親(子と別居している親)が子と交流することをいいます。

 親子交流には、子との面会といった直接的な方法に限らず、手紙や電話の間接的な方法など、さまざまな方法があります。離れて暮らす親のためではなく、子の利益が最優先されるため、子の福祉にかなう方法で実施していくことになります。

 父母が協議して決められるとよいのですが、協議がまとまらない、または監護親(子と暮らす親)が協議に応じない場合は、家庭裁判所に親子交流調停を申し立て、中立な立場の調停委員を交えて親子交流について協議することができます。協議で決まらないとき(調停不成立)は、「審判」手続きに移行し、最終的に裁判所が親子交流の内容を定めます。

 もっとも、調停または審判で親子交流の内容が定まったとしても、監護親が親子交流に応じないケースがあります。この場合、親子交流を実現するための方法として、「履行勧告」と「間接強制」があります。

 履行勧告とは、裁判所が、監護親に対して決められた通りに親子交流をするように勧告する制度です。調査官が間に入って事情を聴き、交流させるように勧告しますが、強制力はありません。

 間接強制とは、裁判所が、監護親に対して調停調書や審判書などに基づき、親子交流をしないこと(不履行)に対して、代わりに金銭の支払いを命じる制度です。直接の親子交流を強制的に実現することはできませんが、間接強制であれば、監護親に金銭的負担を課すことで心理的圧力を加えて親子交流を促すことができます。

 ただし、間接強制を行うには、調停調書などにおいて、親子交流の日時、頻度、時間および子の引渡しの方法などを具体的に記載した給付条項を定めておく必要があります。なお、決められた親子交流が実現できないことについて、災害や病気などの正当な理由があると判断された場合は、間接強制は認められません。

 親子交流は、親の都合や思いではなく、子の健やかな成長や心の安定という子の利益が最優先されなければなりません。専門的な知識に加えて、実現のためには、交渉、調停・審判、間接強制などの手続きも必要です。早い段階で弁護士にご相談されることをお勧めします。



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