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2023年

離婚する際に何を決めておけばよいか-親権、養育費、財産分与など

 神戸新聞2023年6月21日掲載
執筆者:影井 雪香 弁護士

 私は夫と子ども2人の家族4人で暮らしていた主婦です。 以前から不仲だった夫が家を出て行った後、「離婚してほしい」と連絡してきました。離婚に際し、どのようなことを決めればよいか教えてください。

 子どものある夫婦が離婚の際に決めておくべき事項は、主なものでも親権者、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料など多岐にわたります。

 親権とは、子どもの利益のために、監護・教育を行ったり、子の財産を管理したりする権限であり義務をいいます。離婚後は父母のどちらかに決める必要があります。

 養育費とは、子どもの監護や教育のために必要な費用のことをいいます。一般的には、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などがこれに当たります。子どもを監護している親は、他方の親から養育費を受け取ることができます。養育費の額について裁判所のホームページに算定表が公表されています。

 面会交流とは、子どもと離れて暮らしている父母の一方が子どもと継続的に、会って話をしたり、遊んだり、電話や手紙などで交流したりすることをいいます。離婚しても子どもにとって親であることに変わりはありません。子どもが父母の双方から愛されていることを実感するのに認められている制度です。

 財産分与とは、離婚した夫婦の一方が他方に対して財産の分与を請求することができる制度です。主に、夫婦が共同生活を送る中で形成した財産の公平な分配を目的としています。夫婦のいずれか一方の名義になっていても実際には夫婦の協力によって形成されたものであれば財産分与の対象となります。

 慰謝料は、相手方の行為によって離婚せざるを得なくなったような場合などに請求することができます。例えば、夫が浮気をしたことが離婚の原因であれば慰謝料の請求が可能です。

 離婚が成立するまでに時間がかかる場合、生活の維持を考える必要があります。別居中の夫婦の間で婚姻生活を維持するために必要な費用の分担を夫婦の一方が他方に請求することを婚姻費用の請求といいます。裁判所において調停という手続きを取らないと基本的にはそれ以前の婚姻費用を請求できませんので、早めに調停の申し立てをすることをお勧めします。

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