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2018年

駐車場の屋根壊れ車に傷 貸主に損害賠償責任は?-安全性欠如なら請求可能-

 神戸新聞2018年1月17日掲載
執筆者:横山 彬弁護士

 私は、屋根付きの駐車場を借りています。車を止めていたところ、台風で屋根が壊れ、車にも傷が付きました。貸主に損害賠償請求できるでしょうか?

 駐車場の貸主は、借り主に対し駐車場を安全に使用させ、収益を上げさせる義務を負っており、それを怠ったことで借り主に損害が生じた場合、損害を賠償する責任を負います。

 また、駐車場が屋根付きの場合、建物などの所有者は、その設置・保存に関し、安全性が欠如していることで他人に損害を与えた際には、それを賠償する責任を負います。つまり、いずれにしても、屋根付き駐車場の安全性が欠如していれば、借り主は貸主に損害賠償を請求することができます。

もっとも、今回のケースでは、台風という自然災害で屋根が壊れたことから、不可抗力ではないか、との疑間が生じます。これについては、屋根付き駐車場の状態、台風の強さや周辺被害の状況、 貸主が採った台風への対応など諸事情を総合して、屋根付き駐車場の安全性の欠如を判断することになります。

例えば、屋根の老朽化や構造上の不具合があれば、賠償を求めることができる可能性が高いでしょう。他方、台風の威力が極めて強く、周囲にも甚大な被害が生じているケースや、屋根は新しく、特に不具合はないなどの状況では、賠償請求できないこともあります。

ところで、損害賠償を求める場合、具体的に何が損害となるのでしょうか。ケースによりますが、車の修理費用、修理期間の代車費用、レッカー費用、屋根を修理または撤去中の代替駐車場の賃料などを損害として計上できる可能性があります。

もっとも、借り主も台風の到来で屋根が壊れることを予期していた場合、駐車場での駐車を続けていた本人に責任があるとされ、損害賠償請求ができなくなったり、貸主との責任割合に応じて、請求できる損害額 が減少したり(過失相殺といいます)することもあります。

なお、台風で損害が発生した場合でも、車両保険などを利用できることがありますので、加入しているのであれば保険会社に確認してください。

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