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2019年

収益物件の共有状態を解消したいが、応じてくれない-裁判手続きの利用検討を-

 神戸新聞2019年10月16日掲載
執筆者:五島 常太弁護士

 私は、収益物件を所有していますが、叔父の持ち分が2分の1あり共有状態です。この状態を解消したいのですが、叔父が話し合いに応じてくれません。解消するにはどうすればよいでしょうか。

 共有状態を解消する方法は、①物件全てを第三者に売却、②あなたの共有持ち分のみを第三者に売却、③あなたが叔父の持ち分を買い取る、④あなたが自分の持ち分を叔父に売り渡す、⑤その物件が土地であれば分筆するなどの方法があります。


 ②以外は叔父の意思を無視できません。叔父が協力してくれない場合に共有関係を解消するにはどんな手段があるでしょうか。叔父が任意の話し合いに応じないということですので、民事調停を申し立て、その手続きの中で話し合う手段があります。


 しかし、そもそも調停を申し立てても合意の見込みがない場合、叔父を相手方として共有物分割請求訴訟を提起する手段があります。この訴訟では、当事者双方の主張を踏まえて、裁判所が次のような共有関係解消の方法を決めることになります。


 原則的な方法は⑤で、現物分割といいます。この方法は分割したそれぞれの土地の面積を等しくするのではなく、それぞれの価値が等しくなるよう決めます。


 しかし、二つに分けた土地が完全に同じ価値にならない場合もあります。その場合、高い価値の土地を取得した方が、低い価値の土地を取得した方に対し、その価値の差に見合ったお金を払うことになります。これを部分的価格賠償といいます。


 また、1人が不動産全体を取得し、相手方にその持ち分の価値に見合ったお金を払う方法が決められることもあります(③、④)。全面的価格賠償といいます。この方法で分割するには、分割によって得たものに共有者間で不均衡が生じないよう、不動産を取得した方に十分な資力があり、その人が不動産を全部取得することが相当であって、不動産の価値が適正に評価されていることが必要となります。


 さらに不動産を競売し売却代金を持分に応じて分割する方法もあります(①)。以上の通り叔父が話し合いに応じてくれない場合には、一度裁判手続きを利用することをご検討ください。

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