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2024年

亡くなった姉 相続財産の調べ方は-通帳や郵便物、手掛かりに

 神戸新聞2024年9月18日掲載
執筆者:兵庫県弁護士会広報委員会

姉が亡くなりました。独身で子どももおらず、両親も他界し、私が唯一の相続人です。遺言書はなく、離れて暮らしていたので、 姉の財産については全く分かりません。財産調査の方法を教えてください。

 相続する財産には、プラスの財産(資産)とマイナスの財産(借金などの債務) があります。相続する場合、いずれの財産も全て引き継ぐことになります。

 債務の方が多いときは、相続をしない「相続放棄」を検討する必要があります。相続放棄は「自己のために相続が発生したことを知ったとき」から3カ月以内に、家庭裁判所に申し立てなければなりません(延長の申し立ては可能)。

 そのため、借金の調査も急いで行いましょう。金融機関からの借り入れは全国銀行協会などの「信用情報機関」に開示を申し込むことができます。また、お姉さまの預金明細の他、請求書や督促状などの郵便物も手掛かりとなります。債権者(貸主)が判明したら、借入額や明細などを取り寄せてください。

 一方、プラスの財産の調査は、一括ではできず、1つずつ探していくしかありません。不動産、預貯金、株式などの有価証券、保険といった多種多様の財産があります。まずはお姉さまの自宅で、通帳や郵便物を確認しましょう。

 所有不動産がある場合、固定資産税の納税証明書、登記済権利証(登記識別情報)、預金通帳の取引履歴などから判明するでしょう。市町村役場で名寄せ帳を取得する方法もあります。

 預貯金は、通帳やキャッシュカード、スマートフォンの銀行アプリ、出入金連絡メールといったものから、金融機関などの情報を見つけてください。銀行名や証券会社名などが分かれば、連絡をして取引明細を送ってもらいます。

 プラスの財産とマイナスの財産が確認でき、資産の方が多い場合は、個々の金融機関などに連絡をして相続の手続きをしましょう。借金の方が多いのに、先に預貯金などを受け取ってしまうと、相続放棄ができなくなる可能性があるので、注意してください。

 ご心痛の折、財産の調査は負担が大きいと思います。弁護士、司法書士、税理士などの専門家に依頼することも検討してください。

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