神戸新聞2026年6月17日掲載
執筆者:普喜 啓弁護士
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先日母が死去しましたが、実家の土地の名義は、30年前に死去した祖父のままです。母の相続人は私、祖父の相続人は、母と母の兄と思いますが交流はないです。私が土地を取得するにはどうすればよいですか。
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不動産登記簿を見る限り、亡くなったおじいさま様相続手続きが行われていないようです。そのため、まずは、おじいさまの法定相続人を調べるために、おじいさまの出生から死亡までの戸籍謄本を取得し、法定相続人を確認する必要があります。
おじいさまの法定相続人が、お母さまとお母さまのお兄さま(以下、Aさん)の2人と確定すれば、あなたとAさんとで、おじいさま名義の土地を含めたおじいさまの遺産全てについて遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する必要があります。ただ、おじいさまは30年前に死亡しているので、不動産以外の預貯金などはすでに遺産分割済みのことが多いでしょう。その場合は、不動産のみ遺産分割協議を行い、協議が調わない場合は、裁判所に遺産分割調停を申し立てる必要があります。
Aさんもお亡くなりになっている場合、Aさんの相続人が、Aさんのおじいさまの相続人としての地位を承継することになります。例えば、Aさんに3人の子がいれば、あなた、Aさんの子3人の計4人で、遺産分割協議や遺産分割調停を行う必要があります。
遺産分割協議などの結果、実家の土地をあなたが相続することに決まれば、おじいさまからあなたへ登記名義を移すことができます。
このように、相続手続きを長年放置し、次の世代の相続まで発生すると、相続人が多数となり、相続人間の関係性も希薄になることが多く、相続手続きが煩雑になります。相続手続き自体に期間制限はありませんが、仮に相続を放棄する場合は、相続があったことを知ったときから3カ月以内に行う必要があります。
令和6年4月1日からは、不動産の相続登記の申請が義務化され、相続人は相続で所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければ、過料(10万円)が科せられることになりました。ただし、遺産分割協議に時間がかかる場合は、相続人であることを申告しておくこと(相続人申告登記)や、法定相続人全員の共有名義としておくことで対応は可能です。令和6年4月1日以前に相続があったケースでも、令和9年3月31日までに相続登記をしなければなりませんのでご注意ください。


